冒険者は、妥協という名の針を右耳に通し、
今日もまた大冥宮の奥へと誘われていく。

薄暗い冥宮の中で、冒険者達は狂気に囚われ、謎の装置の前で素っ裸になる者、
かと思えば早着替えをする者、ただ呆然と立ち尽くす者、
ぐるぐると徘徊をする者、地下にいながら「星が見えない」と嘆く者、
と様々な様相を呈している。

かく言う私も練度の差によっては10分程度で離脱するキャラがいつつも
5キャラ程で通い続け、未だピアス+2には出会えていない。
ダークマターオグメもハデスを想起させ手が震えてくる為、
全く手を付けられていない。
箱に対する憎しみは、無限に湧いてくる色褪せた羽の箱を
思い切り投げ捨てる事で晴らしている。
しかし、湧き上がる物欲や焦燥感を消すことは出来ない。

そんな時、グィンアム・アイアンハートの言った言葉を思い出した。
「ピアス出ずとも日は出ずる。星は来ずとも明日は来る」
大抵の問題は時間が解決してくれる。
慌てても仕方がない。
先人の言葉により落ち着きを取り戻すことが出来た私は、
また大冥宮へと足を踏み入れていった。

それから時間は流れ、欲しいジョブのピアス+2を目指して
探索をしていた時、D区画のフォモルを倒した際に出た箱をよく見ると
何やら文字が書かれていた。

「一生やってろ」
天晶暦765年 Gwynham Ironheart

とりあえず剣脚足鍛えました。